活動報告

会うことの難しさ❶

2017/06/03

みんなの家庭教師が生徒さんにお会いする段階に至るまでに、いくつかのステップがあります。

 

❶親御さんが、みんなの家庭教師に問い合わせる。

 

フリーダイヤルでお電話して頂くか、もしくはホームページのメールフォームで問い合わせて頂きます。家庭教師を必要とされているというより、親の会に関する情報や、子どもへの接し方のアドバイスを求めて問い合わせをされるケースも多いです。

 

 
❷親御さんにお会いして、現在の状況を伺う。

 

生徒さん自身が、まだ第三者(みんなの家庭教師)に会いたくない場合もありますので、まずは親御さんから現在の詳しい状況を伺います。一方で、この時点で生徒さんが親御さんと一緒に来られて、三人で話をするケースもあります。

 

 
❸生徒さんにお会いして、趣味の話や好きなことについて共感を交えながら話す。

 

生徒さんが、みんなの家庭教師に会える段階に達すると、事前に親御さんから伺った生徒の趣味や、今夢中になっていることに関する知識をできる限り頭に入れます。そして、お会いした時に趣味の話を共有し、できるだけ多くの共感を交えながら話します。

 

ほとんど全ての生徒さんたちは、みんなの家庭教師と会う時、非常に緊張しています。その緊張感を和らげるのが、共有できる話題です。それらを生徒と共感しているうちに、彼らの表情から少しずつ緊張がほぐれていく様子が見てとれます。

 

続く。

書籍案内「『敏感すぎる自分』を好きになれる本」

2017/06/02

先日、みんなの家庭教師が紹介されたNHKの放送の中で出てきた「HSC」という言葉に関心を持たれた方は多いと思います。

 

HSPやHSCについて書かれた書籍は多くありますし、以前ここでも「ひといちばい敏感な子」を御紹介しました。

 

今回は「『敏感すぎる自分』を好きになれる本」を御紹介します。

 

この本を書かれた長沼先生は、日本では数少ないHSPの臨床医であり、17年間にわたってHSPに注目し研究されている方です。

 
この本は、HSPを分かりやすく説明していることに加えて、ただ生きづらいと嘆くのではなく「自分が何に対して敏感なのか?どんな問題を抱えているのか?」を特定し、具体的な対応策を考えることができるよう手助けしてくれます。

 

なんとなく日々しんどい、生きづらいと感じている方に対して、どうすればいいのか、今日からできることを提案してくれる本です。

 

「敏感すぎる気質は生まれ持ったもので変えることはできません。でも、生きづらさは、社会的な価値観や人間関係、生活環境などから生じる後天的なものなのです。そして、後天的なものは、その気になりさえすれば、変えられます。(104ページ)」

 

読み終わった後は、HSPへの理解が深まると同時に、しんどさが薄らぎ、気持ちが前向きになるのではないでしょうか。

 

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とても敏感な子ども(HSC)への言葉がけ❷

2017/06/01

◎敏感な子どもにとって、ホッとできるような言葉をかける。

 

「疲れたら無理しないで、自分のペースでいいんだよ」

 

背中を押すような言葉がけばかりだと、しんどくなってしまう生徒が圧倒的に多いです。

 

疲れがたまってきた時期は、生徒にとって「心の御守り」になるような言葉をかけて頂きたいです。

 

一方で、「安易に休みを認めるような言葉がけは、いかがなものか?」と言われる親御さんもいらっしゃいます。

 

しかし、とても敏感な生徒は、「私たち親にとってあなたは、学校へ行けなくても、かけがえのない大切な子どもなんだよ」という親からのメッセージを欲しがっている場合がほとんどです。

 

特に、疲れがたまってきた時期は、そのメッセージを欲しています。「自分の存在価値を無条件で認めてくれるのか?」を、無意識に確認したがっているのです。

 

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とても敏感な子ども(HSC)への言葉がけ❶

2017/05/31

5月も今日で終わりです。

 

この時期になると、疲れが現れ始める生徒さんもいます。

 

何とか中間テストを終えた後、体力を使いきってしまったかのごとく、学校から足が遠のくケースも見られます。

 
「せっかく今まで頑張ったんだから、ここで休んだらもったいないよ」
「もう少し頑張れば?」

「苦しくても乗り越えることが大切なんだよ」

 

そんなふうに、学校へ行くことを勧める言葉を、ついかけてしまいたくなるかもしれません。

 

でも、敏感に感じ取る子どもは、「学校へ行かないと、やはり自分のことを認めてくれないのか」と、学校へ行けない自分にいら立って苦しみ、自己肯定感にも大きく影響します。

 

 

では、周囲はどんな言葉がけをすれば良いのでしょうか?

 

◎今まで通学したことを認めて評価する。

 

「4月から今まで、よく頑張って通学したね。最近は暑いし、学校へ行くのも疲れるよね」

 

「学校へ行こう」と生徒自身が思っていても、その気持ちに体がついていかず、本人が一番苦しんでいます。

 

その時に、今まで頑張ったことを周囲から肯定し認めてもらえることで、とても勇気づけられます。加えて、今の気持ちを、くみ取ってもらえることで楽になります。

 

これらの言葉がけは、少し時間が経過して気持ちが回復してきた時期に、「もう一度学校へ行こう」と、大きな原動力になる可能性が高いです。

 

続く。

 

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今回の放送の反響について❷

2017/05/30

「現在の不登校の事情に社会がついていけていない。工藤さんのような受け皿がもっと必要だ」

「フリースクールが必要とされる一方で、みんなの家庭教師のような、一対一で親身に関わるような存在も求められていると思う」

 

一対一で関わると言えば、スクールカウンセラーが真っ先に思い浮かびます。県内はもちろん全国的に、中学校や高校で親身に相談してもらえるはずです。彼らと、みんなの家庭教師との違いは何でしょうか?今後は、その点を考えることも大切かもしれません。

 

 

「子どもの長期の不登校に対して、八方塞がりで何をどうして良いか分からなかったのですが、放送を観て少し元気が出ました」

 

毎日のように頂くメールや電話から感じることは、「学校に行けない子どもの状況について、親御さんが悩み苦しんでいる御自身の気持ちを打ち明けられる場所が少ない」ということです。子どもはもちろんですが、親御さんが一人きりで悩まなくていい環境を、もっと多く作ることが求められています。

 

 

「メイクフレンズは、素晴らしい取り組みだと思う」

 

このような感想も多く頂きました。メイクフレンズに注目して頂けて嬉しく思います。もっと広めていきたいです。

 

 
◎惜しくも番組を見逃してしまった方へ

 

放送された時間帯は、両日ともに夕方や朝の忙しい時間帯でした。そのため、「残念ながら見逃してしまった」「録画するのを忘れてしまった」と言われる方が結構いらっしゃいます。

 

そんな方のために、みんなの家庭教師のfacebookでは、19日の「かがのとイブニング」で放送された約10分間の映像を観ることが可能となっております。ご都合良い時に、ぜひご覧ください。

 

https://www.facebook.com/みんなの家庭教師-不登校でお悩みの方へ-791240977655394/

今回の放送の反響について❶

2017/05/29

19日と23日にNHKで放送された件について触れておこうと思います。

 

5月19日の「かがのとイブニング」では石川県内で約10分間、23日の「おはよう日本」では東海北陸7県で約5分間、みんなの家庭教師の活動が放送されました。

 

23日は、石川県外での放送とあって、静岡県や福井県からの電話による問い合わせもあり、メディアの影響力の大きさを感じました。

 

放送されて10日ほど経ちましたが、今週中にNHKによるモニターレポート(反響)の詳細を伺うことができそうです。

 

 

今日は、放送をご覧になった生徒さんや親御さんの感想や意見を紹介します。

 
「HSCという言葉を初めて知った」
「HSCという言葉を知って、今までの自分の反応が異常ではないと分かり、安心した」
「不登校の背景にあるのは発達障害が理由であることが多いと思っていたが、HSCも理由の一つにあることが分かった」

 

今回の放送で、「HSC」という言葉を初めて知った方は多かったようです。

 
「普通の人たちにとっては、ほとんど気にならない些細なことでも、彼ら(HSC)にとっては非常に辛く苦しいことがあるということを考えさせられた」

 

このように感じられた視聴者は多かったのではないでしょうか。

 

続く。

『プラス1』の言葉❹

2017/05/28

「去年の9月から今まで、たくさんの『プラスの言葉』をもらいました。そのおかげで、昼近くに起きていた時間帯が変わり、学校へも部活にも行けず自己嫌悪になっていた僕が、少しずつ支援室に行けるようになりました。3月ぐらいには、少しずつ教室に戻り始め、新学期が始まると同時に教室に入ることができ、今はとても充実しています。本当にありがとうございました」

 

手紙を読み終えて、「毎週彼に会ったときに、どんな『プラスの言葉』をかけていたかなぁ?」と、思わず考えてしまいました。

 

決して、特別な言葉をかけていたわけではありません。

 

ただ、毎週会うたびに彼の好きなことや興味のあることを一緒になって楽しみ、彼の話に本気で耳を傾け、うなずいたり、質問したりしたことが、彼にとっての『プラスの言葉』になったのだと思います。

 

言いかえると、そのように関わることによって、「彼の存在を全肯定していた」とも言えます。

 

現在、定期的に関わっている生徒さんたちの好きなことや興味のあることはそれぞれにあり、多岐にわたります。

 

もちろん、僕が全く知らないことも多くあります。それでも、毎回知ろうとする意識を持ち、彼らと共感しようとことが大切であり、それが彼らを肯定することになると考えております。

 

彼らの好きなことに関して質問すると、いつも決まって彼らは喜んで教えてくれます。一生懸命に伝えてくれます。

 

僕はそれを真剣に聴いて、彼らに質問します。そうすると、彼らは再び喜んで教えてくれます。それが何度も繰り返されるのです。

 

おそらく、そのやり取りが『プラス1の言葉』になるのではないでしょうか。

 

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『プラス1』の言葉❸

2017/05/27

「後で読んでください!」と、はにかみながら手紙を渡しくれました。

 

驚きましたが、本当に嬉しい瞬間でした。

 

彼と別れの挨拶を終えた後、次の指導先へと急いだせいもあり、その手紙を読むことをすっかり忘れてしまいました。

 

その後、その日の深夜になり、仕事が終わって帰途に就いた時、彼から頂いた手紙のことを、ふと思い出しました。

 

すぐに、近くのコンビニの駐車場に車を停め、店内からの光を頼りに「拓哉先生へ」と書かれた手紙を読み始めました。

 

生徒から頂いた手紙なので、読んでいる途中から、目頭が熱くなるのは間違いないのですが、彼の手紙の中には、僕にとって励みになる言葉が並んでいました。

 

一部を要約すると、次のように書いてありました。

 

「毎週、先生に会うたびに『プラスの言葉』をもらえるのは、とても勇気づけられました。毎週、『プラス1』くらいの勇気をもらいました。その後、先生に会う次の週までに、もらった勇気を消費してしまい、『0.5』くらいに減りました。でも、その『0.5』は僕にとって、とても大きなものでした。僕の体の中に、少しずつ勇気がたまっていくのを感じられたからです。その勇気は、二週間で『プラス1』になり、四週間で『プラス2』というふうに、徐々にたまっていきました」

 

続く。

 

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『プラス1』の言葉❷

2017/05/26

そんな彼でしたが、新学年から彼にとって通学しやすい環境(新しい担任やクラスメイトが理想的)が整ったため、完全に学校に復帰し、教室に戻ることができました。現在は部活動にも元気に取り組んでいます。

 

そして先日、彼からこのように伝えられました。

「学校に戻れたし、今は部活動に集中したいので、とりあえず家庭教師を終わりにしたいです」

 

突然で、正直驚きました。当然、寂しさもありましたが、同時に嬉しくもありました。

 

こんなふうに、生徒自身の意思で、みんなの家庭教師から卒業していくことは、ひとつの理想形です。

 

「ファーストステップ」としての役目を果たしたのだと感じました。

 

一方で、親御さんは勉強面を気にされるかもしれませんが、それに関しては、彼が本当に勉強したくなってからでも遅くないはずです。今は、ずっとやりたかった部活動に熱中して欲しいです。

 

最後に彼を訪問した日、いつものように、最近の学校の出来事や部活動の話をしている最中、「さっき書きました!」と、突然、彼から一通の手紙を渡されました。

 

続く。

 

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『プラス1』の言葉❶

2017/05/25

今日はある男子中学生について書きます。

 

彼は、去年の夏頃から友人関係の悪化などが理由で教室に入れなくなり、それ以降は、学校を休んだり、学校に行った時は支援室で過ごしてきました。

 

週に一度のペースで、彼を訪問するようになったのは、去年の9月からでした。

 

その週によって、彼の気持ちに浮き沈みもあったのですが、毎週同じ曜日の同じ時刻に会うことができました。一般的に、生徒さんによっては頻繁に調子が悪くなることがあり、必ずしも毎週お会いできるとは限りません。

 

彼に会った時は、その時期の彼の関心事に耳を傾けることが基本姿勢でした。カードゲームを一緒に楽しんだり、ボカロ(音楽)を一緒に聴いたり、動画を一緒に観たり、マインクラフト(スマホのゲーム)の世界で一緒に何かを作ったこともありました。

 

彼だけでなく、どの生徒にも共通して言えることですが、好きな事を話す時の表情は生き生きしています。こちらが何か質問すると、彼は熱心に、そして嬉しそうに答えてくれました。

 

子どもに限ったことではありませんが、自分の関心事を誰かと共有できるのは楽しいでしょうし、嬉しいに違いありません。

 

続く。

 

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