活動報告

親御さんからの質問❸

2015/09/07

質問〉

子供がときどき学校を休みます。「学校に行きたくないなら休めばいいよ」と子供に伝えたいのですが、実際はためらってしまい伝えられません。やはり今後の進学・将来の就職を考えると、子供は学校へ通うべきだと考える自分もいます。また、現在の苦しみを乗り越えることが、子供の成長につながるのでは、とも考えてしまいます。

 
〈返答〉

質問ありがとうございます。そうですね、親御さんのためらう気持ちはとても理解できます。学校を休むことで、勉強が遅れることは想像できます。勉強が遅れたら、進学に影響があるかもしれません。

 

しかし、ここで第一に考えるべきは、勉強より子供の体調です。多くの場合において、精神的に不安定になると、体にも影響が出てきます。体調が悪くなれば、勉強どころではなくなります。将来の進学や就職は、“心身ともに健康である”という大前提が必要になることは言うまでもありません。

 

確かに、苦しみを乗り越えることによって、成長するという考え方は間違っていません。

 

ただ、全員がそのように出来るとは限りません。実際、苦しみを乗り越えて成長する前に、病気になったり、最悪自殺を考えてしまう人間もいるのです。

 

世の中には、苦しみや痛みに対して、気質的に耐性がある方もいれば、非常に繊細で敏感な方もいます。不登校になりやすいのは後者だと言われています。

 

特に、繊細で敏感な子供に対して「学校へ行くのが辛かったら休んでいいよ」「命かけてまで学校へ行かなくていいよ」と定期的に伝えることは、子供の気持ちに寄り添い、心理的不安やプレッシャーを和らげる効果が期待できます。

 
「辛い時、苦しい時は我慢しなくていいよ、と親に言われてから逆に学校へ行きやすくなった。楽になった」
ある生徒の言葉です。

 

したがって、「辛かったら学校休んでいいんだよ」と前もって伝えることは、子供が学校へ行きやすくなるために、非常に有効な手段なのではないでしょうか。

子供の自殺を防ぐために❷

2015/08/31

「本当は親に話したいのに、親を思うと話せなくなってしまう」

 

いじめをうけていた、ある生徒の言葉です。

 

 

 

どうして親に話せなくなるのでしょうか?

 
「いじめられる方も悪い、いじめられるのは恥ずかしいことだ」
「学校へ行けないのは恥ずかしいことだ、学校へ行けなかったら人生終わりだ」

 

そんな価値観を大人が無意識に子供に押しつけてしまっていることが一つの原因として考えられます。

 

 

親御さんとして、悩み苦しんでいる子供にしてあげられることはなんでしょうか?

 
第一に、自殺する気配があるなし関係なく、「学校は自分の命をかけてまで行く場所ではない」ことを、定期的に子供にきっぱり伝えておくべきです。

 
定期的に伝えることによって、この言葉がお守りとなって、いざという時に子供を守ってくれます。

 

第二に、ふだんから子供と話題を共有し、子供の気持ちに共感する接し方を心がけることが大切です。

 

共感することによって、「親は自分を認めてくれる存在なんだ」と、寂しさや不安は和らぎ、元気が湧いてきます。

 

 

 

いきなり自殺する子供はいません。自殺という決断に至るまでに、どれほど長時間思い悩み、葛藤があったことでしょうか。大人をそこを考えるべきです。

 

 

「夏休みが終わるまでに、もしかしたら誰かが自分の苦しみに気付いてくれるのではないだろうか」

 
大切な子供の命を救うのは、周囲の大人です。

子供の自殺を防ぐために❶

2015/08/24

内閣府が過去40年間における18歳以下の累計自殺者数を「日別」に集計し発表しました。

 
それによると、多くの学校で二学期が始まる「9月1日」が、子供にとって一年で最も多く自殺をする日であることが明らかになりました。9月1日に次いで、4月11日、4月8日、9月2日、8月31日と自殺の多い日が続きます。

 
このことから、「子供の自殺は長期休暇明けや新学期が始まる前後に多い」ということが分かります。

 
なぜ、長期休暇明けや新学期の開始前後に、自殺する子供が増えるのでしょうか?

 
夏休みが始まった直後、いじめを受けている生徒や不登校の生徒は、一時的に「学校へ行かなくてはならない」という苦しみから解放されます。

 
しかし、お盆が過ぎて夏休みが後半にさしかかると、再び「もうすぐ学校へ行かなくてはならない」ということを意識し始めます。

 
不登校の生徒は、この時期に周囲の大人から、「一学期は休んだのだから二学期からは学校へ行きなさい」などと強く言われ学校へ行くことを強制されてしまうと、さらに追いつめられてしまいます。

 
一学期にいじめを受けていた生徒は、「また、いじめられるかもしれない」と恐怖で頭がいっぱいになります。

 
したがって、夏休みが終わりに近づくにつれて、一人きりで思い悩み、その苦しみはますます大きく高まっていくこと、それが自殺へ向かってしまう一つの原因であると考えられます。

 
あるいは、9月1日に学校へ行けなかったことや行かなかったことを周囲から責められ、それを苦にして自殺へ向かうことも考えられます。

 

 

次回へ続きます。

高校認定試験について❷

2015/08/17

では、認定試験の難易度はどのくらいでしょうか?

 
大前提として、高等認定試験は落とすための試験ではありません。できるだけ多くの人たちに進学や就職の機会を与え、近い将来に社会で活躍できる人たちを増やすことを目的として実施されている試験です。

 

つまり、できるだけ多くの人たちに「合格してもらうための試験」なのです。この点において、他者と競争する高校受験や大学受験とは意味合いが全く異なります。当然、合格者数の上限もありません。

 
そのため、教科ごとの難易度は、それほど高くありません。出題範囲は中学から高校1年のものとなっており、合格ラインは各教科100点満点で約40点程度と言われています。

 
では、試験に合格するために、どのような勉強をすれば良いのでしょうか?

 
ある程度の知識がある方の場合、最初に、過去問を一通り解いてみることをお薦めします。

 
次に、過去問が半分も解けず、難しいと感じた教科があれば、その教科を優先して基礎から勉強することが近道だと思われます。

 
一方で、基本から始める方は、教科書や参考書を開きながら、順番に過去問を解いていくことをお薦めします。

 
大切なのは、分からない問題にこだわらず、解ける問題を増やしていくことです。前述したように、合格するために100点満点で40点ぐらいを取れればいいからです。

 
毎回、教科ごとの出題形式や難易度は、あまり変わらない傾向があります。そのため、多くの過去問で勉強することによって、どのくらい勉強すればよいかや、試験の難易度を肌で感じることが重要になるでしょう。

 

高校認定試験について❶

2015/08/10

高校認定試験とは、さまざまな事情で高校を卒業できなかった人の勉強の成果を適切に評価し、高校を卒業した人と同程度の学力があるかどうかを認定するための試験です。

 
この試験に合格することによって、大学・短大・専門学校の受験資格が与えられます。

 

また、高校を卒業した人と同程度の学力があると認定され、就職、資格試験等に活用することができます。

 
ただ、高校を卒業したと認められるわけではないので、試験に合格した後に、大学・短大・専門学校などに進学しなければ、最終学歴は中卒となります。

 
では、どのような人が高校認定試験を受験するのでしょうか。

 
例えば、高校を中退してしまったが大学や短大などに進学したい人、中卒で社会人になったが再就職する際に学歴を必要としている人、などです。

 
また、高校進学後に不登校になった人が、数年間経過した後に受験する場合もあります。

 
共通して言えることは、次のステージへ進むために受験するという事です。
次回へ続く。

「親の会」について

2015/08/03

子供が学校へ行かなくなった時、親御さんにとって大きな味方になってくれる場所の一つが「親の会」です。「親の会」は全国各地にあり、石川県内においてもいくつかあります。

 
親御さんにとってメリットの一つは、「話をじっくり聴いてもらえる、共感してもらえる」ということです。

 

第三者に話を聴いてもらえることで、親御さん自身の気持ちに余裕が生まれ、子供に対する接し方にもゆとりが出てきます。

 
子供に対するゆとりは、子供の話をしっかり聴いて、共感できることに繋がります。

 
例えば、親の会に月に一度参加されている、ある親御さんは、不登校に関することだけでなく、仕事に対する不満や家族に関することなど、不登校以外のことも含めて話を聴いてもらうそうです。

 
普段の生活において心の内にためているものを、月に一度はき出しリセットすることは、大切な気分転換にもなるといいます。

 
また、もう一つのメリットは、「これまでの多くの不登校の事例を知ることができる」ということです。いろいろな方から、多くの事例を聴くことによって、励まされ、焦る気持ちは緩和されるでしょう。

 
不登校がいつまで続くのか、いつ頃終わるのかを予想することは、非常に難しいです。そのため、親御さんの気持ちは、時に大変不安定な状態になることがあります。

 
そんな時に、「親の会」を訪れることは、とても大きな助けになるはずです。

 

親御さんからの質問❷

2015/07/28

〈質問〉

学校へ行かなくなって一週間の子供がいます。最初は「お腹が痛い」と言うので、休ませて様子を見ていたのですが、数日間休んでも学校へ行こうとはしませんでした。一日中、家でゲームをしたり、アニメを見て過ごしています。これ以上休むと、ますます学校へ行きづらくなるのでは、と非常に心配です。無理やりにでも行かせたほうが、良いのでしょうか?

 

 

〈返答〉
しばらく学校を休ませてあげてください。無理やり学校へ行かそうとすると、多くの場合において、状況がますます悪い方向へ向かっています。

 
では、「いつまで休めばいいのか?」ということになりますと、生徒さんによって様々です。十分に休んでエネルギーが蓄えられた時に、徐々に自分から動き出し始めることが多いです。

 
「学校へ行かなければならない」ということは、子供自身が一番よく分かっています。そして、本人が一番苦しんでいます。

 

不登校において最大の問題は、そのような孤独で辛い状況にいる子供の気持ちに、誰も寄り添わないことです。勉強が遅れることや、集団生活ができなくなることではありません。

 

まずは、そのことを理解して、苦しんでいる子供の気持ちに共感することが大切です。「辛かったら学校を休んでもいいんだよ」と心から伝えることは、最も効果的な共感になります。

 
できることならば、不登校になる前段階で、そのような共感を子供に対してすることが、状況を良い方向へ向かわせる手助けとなるはずです。

 
また、一日中ゲームやアニメに没頭してしまうのは、それをすることによって、苦しみから離れて何も考えなくていい時間をつくれるからです。子供にとっては、自分自身を守るための、ある種の自己防衛です。

 

「何も考えなくてすむなら、かろうじて今を生きられる」

ある不登校の生徒の言葉です。

 

一方で、私たち大人でも、何か苦しいことがあった時は、あえて仕事に没頭したり、時にはアルコールを飲んだりすることで気を紛らわせたりすることもあるかもしれません。

 

今、周囲の大人に求められるのは、「子供の外見上には見えない、内面にある苦しみを想像する力」ではないでしょうか。

 

 

 

クラビズムに掲載されました!

2015/07/21

 

7月20日発売の、クラビズム2015年8月号に「家庭教師のプロフェッショナル」として掲載されました!

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親御さんからの質問

2015/07/20

〈質問〉

不登校になっている中学生の子供がおります。子供と接する時に、「出来るだけ共感をしよう、褒めよう」と心がけているのですが、普段からイライラすることが多くて思うようにできません。イライラの原因は、職場での人間関係のストレスなどもあるかと思います。そのうえ、子供に対して思うように共感できない自分にもイライラしてしまい、悪循環になっています。どうすればいいのでしょうか?

 

 

 

〈返答〉

職場での人間関係は、さぞかし大変だろうと思います。本当に毎日お疲れ様です。そして、親御さんの「共感をしよう、褒めよう」の心がけは、とても素晴らしいです。

 
ストレスによるイライラは、人間であれば誰にでもあるでしょう。問題は、それをどのように解消していくかだと思います。ストレスの解消方法は人によって様々なものがあります。

 

まず、「親御さん御自身が、誰かによって十分な共感を得ていないと、子供に対しても共感できない、共感する余裕を持てない」という事実があります。したがって、ここでは「誰かに共感してもらう」という点に重きを置いて、二つの方法をあげたいと思います。

 

一つは、友達とおしゃべりをすることです。聴き上手な友達に、話をできるだけ聴いてもらうことは、十分に共感してもらうことになります。会って話すことが難しければ、電話でもOKです。

 

もう一つは、「不登校の親の会」に出向き、話を聴いてもらうことです。過去に不登校の子供に接した方たちに、親身に話を聴いてもらい共感を得ることは、とても有効でしょう。

 
もし、「初対面で、複数の人達の前で話すのはちょっと。。。」というのであれば、一対一で会ってお話することをお薦めします。(詳しくはホームページ「私たちの取り組み」をご覧ください)

 
子供に共感したり、褒めたりすることは大切ですが、毎日にこだわる必要はないと思います。できる時に少しずつ共感することを心がけてください。

子供が学校へ行かなくなったら❸

2015/07/13

もう一つの根拠として、「学校へ行かなくていいよ」を心からはっきり言い切ることは、苦しんでいる子供にとっての「お守り」になる、ということです。

 

不登校になった子供は、「学校へ行かなければいけない」と十分に理解しているからこそ苦しみ悩んでいます。

 

過去に不登校を経験した多くの人たちは、「みんなが当たり前に出来ていることが出来ないのは自分に原因があるし、学校に行けないのは自分が悪いと感じていた」と話しています。

 
そんな状況で、親に厳しい言葉を浴びせられ、追い打ちをかけられたとしたらどうでしょうか?

 
苦しんでいる子供をさらに追い詰め、「自分は大切な存在ではないんだ」と、自己肯定感を低めてしまいます。

 
一方で、そんな苦しい状況で、「学校へ行かなくていいよ」という心からの言葉がけは、子供に対する最大級の共感になり、自己肯定感を高める言葉がけになります。

 
例えば、毎日学校へ通うことが苦しそうな子供に、「辛かったら学校へ行かなくてもいいよ」と言葉がけしたとします。

 
言葉がけされた子供にとって、「自分は大切な存在なんだ。いざという時は共感してくれる家族がいるから大丈夫だ」と、安心感や余裕が生まれます。

 
その安心感や余裕は、今後不登校になる可能性を低めたり、今までの疲弊した心の回復を助けてくれます。

 
したがって、「学校へ行かなくていいよ」と心からはっきり言い切ることは、子供にとって大切な「よりどころ」になり、「お守り」として子供を不安や苦しみから守る効果があると思います。

 

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